で、普段こんなの書いたりしないんだけど感想かいておきたいな~と思ったので。
アイアンマン3を観終わった人が共感してくれると嬉しいし、まだ観てない人がこれを読んで観てくれると嬉しいので、極力ネタバレはしないで全体の流れだけぼんやり書いていきたい。
全体を通して一言で言い表すなら、『トニーが改めて自分の在り方を見直す話』だったと思う。
一番最初スイスでのシーンでインセンとはほんの何回か言葉を交わしただけだったけど、アイアンマン1(この呼称は正しくないんだろうけど、便宜上こう呼ぶ)ではインセンの方がハッキリ覚えてた。
トニーはこの時から敵も多かっただろうけど、かつてのキリアンやインセンのように尊敬してくれる人も多かった。でなければインセンはあそこまで尽くしてくれなかったように思う。
トニーがこの世界に必要な人間だと、インセンは信じていた。
場面は移ってトニー邸。
チタウリとの戦いで『この世界には、想像も出来ないような脅威がある』ということと『自分には守りたい人たちがいる』という2つの問題を一人で背負い込んでしまい、スーツ制作に没頭することになる。かつて経験したことのない不安やストレスを拭い去ることが出来ず、図らずもペッパーを危険な目に遭わせてしまう。前述の2つの問題を解決するため、と自分に言い聞かせて『どんな敵にも負けない最強のスーツを作ることこそが最善』とばかりにそれにのめり込んだ結果である。
ペッパーやハッピー、ローズもトニーの性格を知っているからああだこうだと口を出すものの、「みんなあなたを心配している」ということだけは共通している。
少し時をすっとばしてトニー邸への襲撃。
ここで迷うことなくペッパーにMk42を装着させる場面はトニーの人間としての成長が感じられる。
皮肉にもペッパーは自身が恐れ、嫌悪に似た感情を持っていたスーツに助けられることになる。トニーのMk42制作は間違ってはいなかった。そもそも住所を明かさなければ襲撃もされなかったのでは?とも考えられるが、襲撃は時間の問題でもあったように思える。
ペッパーは守ったものの、自宅は地上部分はほぼ全壊。トニーの軽率な行動によりセキュリティ処理に追われていた中襲撃を受け、正常な動作が出来なくなってしまったジャービス。
トニーはまた全てを失い一人になる。
彼に残されたのはパワーが切れて使い物にならなくなったMk42と、天才的な頭脳だけ。
トニーはある少年に出会い、協力を求める。自分を匿って、アーマーを直すための環境を求めた。
ハーレーという少年がなぜいきなり現れたオッサンの、そんな図々しい願いを聞き入れたのか?
目の前のオッサンが『アベンジャーズのアイアンマン』であり、紛れも無く『世界を救ったヒーロー』だということを知っていたから。
「おじさんメカニックなの?」
「そうだ」
トニーはハーレーの協力の元、Mk42の修復しつつ爆破事件の謎を追う。
そんな中好奇心からか、ニューヨークでの出来事に関して質問を重ねるハーレー。
トニーの不安がまた高まる。『マンダリンだけじゃない。ああいう得体の知れない敵が、まだいるかもしれない』忘れかけていた問題がまた頭の中を支配する。
そして爆破事件の真相に迫るトニー。ここでも見知らぬテレビ局員に協力を求める、快諾される。
彼もまた『アベンジャーズのアイアンマン』と『トニー・スターク』を敬愛する人物だった。
初めて出会った人を言いくるめてしまうトニーの話術も見事だが、それよりも実績があったからこそだ。兵器を捨て、『アイアンマン』として生きてきた時間は無駄では無かった。
敵の襲撃に遭うも咄嗟の機転でこれを撃退する。だが、これ以上ハーレーを巻き込むわけにはいかないとばかりにハーレーの元を去る。「お前がいると助かる。Mk42を頼む」と言い残して。
また一人になってしまったトニー。少年の言葉が彼の魂に火を点ける。
「メカニックなんでしょ?」
無いなら作ればいい。失ってしまっても、また作ればいい。
アイアンマン・スーツだけが、トニー・スタークの全てじゃない。
マンダリンの真相に辿り着き、親友ローズと共に敵の本拠地へ向かう。
詳しく書くとお楽しみが半減してしまうので描写出来ないが、少なくともこれだけは言える。
『トニーが作り出したアーマーの全ては、無駄では無かった』ということが。
全てを終えてトニーは全壊した家へと戻る。
自分が生み出したものの、最後の一つを捨てに。
かつては仮の形でインセンに救われ、自身で手を加えて完成させた。
ペッパーのかわいらしい気遣いでまた彼を救い、そして父が遺した教えが加わり、これまでトニーを文字通り生かしてきた。
『トニー・スタークにもハートがある』
自分を『アイアンマン』たるものへと変化させるきっかけになった、第二の自分の心臓。
形を変えても、常にトニーの戦いと共にあったアーク・リアクターを海へと投げ捨てる。
かつてはただの人間だった。鉄のスーツ『アイアンマン』という繭を身につけ、今それをまた脱ぎ捨てた。そしてわかったこと。
足元に転がるドライバーを拾い上げる。出来の悪いダミーを車に載せる。
無いなら作ればいい。失ってしまっても、また作ればいい。
ドライバー1本から、またゼロから作ればいい。
僕はアイアンマンだ。
Can you dig it.
(……そうだろう?)
まあたいして数は観てないんだけど、アイアンマン3は自分が見た映画史上一番カッコいいエンディングです。劇中あらゆるところで流れるアレンジの元となるメインテーマなんだけど、是非聴いて、観て欲しい。
というわけで感想文でした。
トニーが今までやってきたことが人々に与えた影響がハッキリと感じられてそこが地味ながら面白かった。ハッピーやペッパー、ローズ以外にもトニーのことが好きで、彼のために何かしてくれる人達がいる。無駄じゃなかったんだなあと。そういった人たちに支えられて自分を見つめ直すことが出来たんだなあと。
観てない人はBD発売されてるから観なさい。もしくは貸してあげるから。